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ゲル化剤について。

今回は、ゼリーなどに用いられるゲル化剤について、それぞれの特徴を見ていきましょう。

 

①ゲル化剤とは。

分子同士が網目状構造を作り、液体をゼリー状に固める性質を持つ物質である。本来は、動物や植物の細胞膜や細胞間質を形成している物質である。

 

②ゲル化剤の種類と成分

ゼラチン、寒天、カラギーナン、ペクチンなどがあり、ゼラチンはコラーゲンという動物性たんぱく質の一種が原料となる。それに対し、寒天、カラギーナン、ペクチンなどは植物性であり、その成分は糖質(炭水化物)で、ガラクトース(多糖類)という糖とそれが変形したもので、食物繊維の一種です。

 

③ゲル化剤の特性

液体に加えて加熱すると溶け、熱いうちはその鎖状の分子運動が活発で、自由に動き回っているため溶液は流動性がある。温度が下がってくると運動が鈍くなり、鎖状のものが相互に絡み合って、網目のような組織を作り、その間に液体が包み込まれて、ゼリー状に固まる。

 

寒天

①寒天とは

紅藻類の海藻のうち、テングサ、オゴノリ、オバクサなどから抽出したゲル化剤。海藻類に水分を加えて煮て、ゲル形成力のある成分を溶かして出し、冷やし固める。これを凍結し、解凍すると水分だけが抜ける。そうして完全に乾燥させると寒天が出来る。寒天が隙間だらけなのは、水分が抜けるときにできた穴のせいである。凍結乾燥する前のものがトコロテンである。

 

②寒天の種類と特性

棒寒天:ゲル化力は小さいが、透明度は高く、臭みも少なく食感が良い。ただし、膨潤しにくい。

糸寒天:棒寒天よりややゲル化力に勝り、溶けやすく透明度も高い。

粉末寒天:ゲル化力は棒寒天や糸寒天よりも大きく、計量が簡単で溶けやすく、使い勝手がよい。透明度はやや劣る。

 

③寒天の特徴と使用法

・寒天を使ったゲルは固めで、あまり弾力がなく裂けやすい。室温でも固まり、安定していて溶けにくい。

・寒天は水には溶けないが、親水性が強く水を吸収してふやける。これを液体に加えて、90~100℃に熱すると溶ける。

・酸に弱く、pH4.5以下ではゲル化しない。特に酸味の強い液中で長く加熱すると著しくゲル化力が低下するので、果物などの酸味のあるものを加えるときは、寒天液を作り火からおろして60℃程度に冷ましてから加える。

・他のゲル化剤に比べて、離水しやすいため、砂糖を多めにし、できるだけゲルの保水力を高める必要がある。

・添加量は、通常できあがり重量の0.5~1.5%。

 

カラギーナン

①カラギーナンとは

紅藻類の海藻のうち、スギノリ、ツノマタから抽出したゲル化剤。主成分は寒天と同じであるが、性質はまったく異なる。三種類の異なった特性を持つカラギーナンがあり、それらを元に色々な特徴のある粉末状製品が作られている。

 

②カラギーナンの種類と特性

ι(イオタ)型:ミネラルによりゲル化。ゲルは粘弾性に優れ、離水が少なく、凍結しても同じ状態に戻る。

κ(カッパ)型:ミネラル、たんぱく質によりゲル化する。

λ(ラムダ)型:水に溶かすと強い粘性を示す液体になる。保水性が高い。

 

③カラギーナンの特徴と使用法

・カラギーナンの種類にもよるが、一般的に寒天より柔らかで口当たりがよい。室温でも安定している。

・溶かし方が簡単で、砂糖など水溶性の高い物と混合して水を加え、60~100℃以上に加熱すればよい。加熱しても海藻臭はほとんどない。

・ゲル化開始温度は、30~75℃と幅広い。

・寒天やゼラチンに比べて酸に強く、pH3.2以上でゲル化が可能。しかし、酸性液中で加熱するとゲル化力は低下するため、果汁など酸を含むものは火から下した後で加える。

・添加量は製品により異なるが、できあがり重量の0.5~1.5%。

・乳製品を多量に使うデザートや冷凍用デザート、インスタントデザートのゲル化剤、菓子のクリーム類やアイスクリームの安定剤などに使用される。

 

ゼラチン

①ゼラチンとは

動物の骨、皮、軟骨、筋に存在するコラーゲンから作られるゲル化剤。

 

②ゼラチンの種類と特性

粉末ゼラチン:容易にかつ正確に計量でき、吸水しやすい。4~6倍の冷水に約15分つけて使用する。

板ゼラチン:粉末より吸水に時間がかかるが、必要以上の水を吸収しないため、余分な水分が入らない。たっぷりの冷水に約30分つけ、水気を切って使用する。

 

③ゼラチンの特徴と使用法

・溶解温度は50~60℃で、80℃を超えるとゼラチン臭を発し、固まりにくくなる。

・ゼラチンを加えた液体は、濃度によるが18~20℃まで冷えるとゲル化を始める。その後10℃以下に冷蔵しゲル化を完成させる。2時間程度で一応固まり、8~18時間でさらにしっかりと固まる。その間徐々に固さを増すため、どの程度時間をおいて食べるかを考慮し、ゼラチンの量をあらかじめ調整する必要がある。

・ゼラチンはゲル化剤の中では耐熱性がもっとも弱い。濃度によるが、室温が25~30℃になるとゲルが緩み形が崩れ始める。ゲルの溶解温度はゼラチンの濃度が高いと上昇するため、夏季は添加量を多くする。

耐酸性は特に弱くも強くもなく、pH3.5以上ならゲル化する。

・生のパイナップル、メロン、キウィ、パパイヤなどは、たんぱく質分解酵素を含むため、ゼラチンのゲル化力を低下させるため、一度加熱して酵素を不活性化してから加える。

・添加量は、一般的にできあがり重量の2~4%で、夏季は冬季の1.5倍、小型の菓子は大型の菓子の2/3程度。

 

ペクチン

ペクチンとは

・多糖類の一種食物繊維で、植物の細胞間質などに存在する天然ゲル化剤である。

・果実などの成熟に従い含有量が変化する。

ガラクトースからできたガラクチュロン酸が、長く鎖のように繋がってできたもので、メトキシル基を持っている。このメトキシル基の含有量の違いで、高メトキシルペクチン(HMペクチン)と低メトキシルペクチン(LMペクチン)に分けられる。

 

ペクチンの種類と特性

HMペクチン:果実に含まれる天然ペクチン。かなり弾力のあるゲルで、ゲル形成速度はメトキシル基の割合が高いほど早く、糖および酸の濃度が増加するほど早くなる。

LMペクチン:HMペクチンを酸、酵素アンモニアなどで処理し、調整したもの。柔らかいゲルで熱可逆性があり転移温度に達すると、再び液状に戻る。

 

ペクチンの特徴と使用法

・粉末は非常に細かく水中への分散が悪いため、あらかじめ5~8倍のグラニュー糖に混ぜて使用する。また、液体に加える際は素早く攪拌しないと、ダマになる。

・液体に完全に溶けるまで数分かかるため、液体に加えた後しばらく弱火で加熱する。

※長時間火にかけるとペクチンや糖が分解され、凝固力が低下するため、短時間で煮詰める。

・HMペクチンの凝固には糖と酸が必要。使用する果実や果汁に酸が十分含まれていない場合、凝固を起こさせるため酸を加える。強い酸の中でペクチンを煮る時間をなるべく短くし、ペクチンの分解を最小限に抑えるため、水か湯で溶かしたクエン酸を加熱行程終了後に、90℃以上の温度で素早く攪拌しながら守る。

・ワインの中にペクチンを入れても、水や果汁のように溶けない。アルコールに加える場合、水または果汁に溶かしてから加える。

・LMペクチンの凝固には、2価の金属絵本が必要である。牛乳や粉末など、カルシウム含量が多いのものでなければ、相応のカルシウムを添加する必要がある。

 

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