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小麦粉について。

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小麦粉とは

ケーキに欠かせない小麦粉は、世界中で生産されていますが、その品種や気候風土によって、特性は様々です。

日本には、約1万年前に西アジアで野生小麦が栽培され、4~5世紀ごろ入ってきました。

現在のような小麦が広く栽培されるようになったのは、19世紀に入ってからとなります。

今回は、小麦粉について、まとめていきます。

 

 

日本での小麦の歴史

4世紀:米や粟、稗のほか麦も主食にしていた。

8世紀:朝廷が小麦、大麦などの畑作を奨励。

室町時代:うどん、そうめん、きしめんが一般に作られるようになった。

江戸時代:小麦より大麦の生産重視

明治時代:小麦の生産が増える。木村屋のあんぱんをきっかけにパン食が広まった。

昭和、平成:第2次大戦後、現在に至るまで、食生活の洋風化にともない更に小麦の消費量が増え続け、その多くは輸入によってまかなわれている。

 

パンに向く小麦、菓子に向く小麦

小麦には粒が硬い「硬質小麦」と軟らかい「軟質小麦」がある。

その特徴は、

硬質小麦:粒の内部が緻密で、軟質小麦では粗く詰まっており、軟質小麦より蛋白質が多い。

軟質小麦:一般的に蛋白質が少なくグルテンがソフト。

硬質小麦でも品種や土壌、気象条件によって蛋白質の量には差があり、蛋白質が13%以上でグルテンの力が強く、その粘着性のバランスがよいものが、食パンを作るのには向いている。

硬質小麦でも、蛋白質がやや少なくグルテンもそれほど強くないものは「準硬質小麦」と呼ばれ、菓子パンやフランスパンなどに加工される。

中華麺用粉の製造には、蛋白質が多い硬質小麦と少ない硬質小麦の両方を用いる。

パスタ用のデュラム小麦も硬質小麦であるが、他の小麦より粒がさらに硬い。

グルテンの力が弱い方が好ましい菓子やてんぷら用の粉を作るには、蛋白質が少ない軟質小麦が用いられる。

国内産小麦のほとんどは軟質小麦であるが、軟質小麦としては蛋白質が多めのものが多く、「中間質小麦」とも呼ばれる。

 

栽培時期は2パターン

秋に播種して夏に収穫する「冬小麦」と、春に播いて秋に収穫する「春小麦」がある。

品種には秋播性と春播性があるが、育種での交配により、中間的な性質の小麦も多くなっている。

冬季の寒さが厳しいアメリカ北部、ヨーロッパやロシアの一部、カナダなどを除くと、冬小麦が作られている。

アメリカのカリフォルニアやアリゾナでは、メキシコ原産の春播性品種を冬小麦として栽培していることが多い。

オーストラリアの小麦は冬小麦だが、大部分の品種は春播性である。

硬質小麦の場合、蛋白質の一つであるグリアジンの性質の違いにより、一般的に春小麦の方が冬小麦より製パン適正が優れているが、春小麦は生育期間が短いため、収穫は冬小麦の3分の2程度である。

 

小麦粉の熟成および貯蔵

小麦粉は生き物で、各細胞は呼吸している。

日本のように、収穫してからかなり時間の経過した小麦粉を原料にする場合、製粉後3日ぐらいでほぼ安定期に入り、それ以降は実用上差がない。

貯蔵・安全上の注意

①倉庫内ではスノコなどの上に置くこと。

②出来るだけ低温・低湿にして貯蔵すること。

③臭気の強いものの傍に置かないこと。

④長期間は保存しないこと。

 

グルテンとは

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小麦粉中には、タンパク質が6~15%含まれている。

その約85%はグリアジンとグルテニンである。

小麦粉に水を加えて捏ねると、この2つが絡み合ってグルテンとなる。

グルテニンは弾力に富むが伸びにくく、反対にグリアジンは弾力は弱いが粘着力が強くて伸びやすい。

この異なる2つのタンパク質が結び付くと、両方の性質を適度に兼ね備えたグルテンとなる。

小麦粉を粉砕して利用するのは、グルテンを形成しやすくするためである。

 

量と粘弾性のバランスに差があるグルテン

原料小麦の種類や品質、加える水の量、副材料や添加物、および捏ね方により、できるグルテンの量と粘弾性のバランスが異なる。

硬質小麦は軟質小麦よりタンパク質を多く含むため、形成されるグルテンの量が多い。

グルテニンとグリアジンの比率や分子構造によって、グルテンの粘着力や弾力が強かったりする。

それぞれの小麦に適した量の水を加えて捏ねると、グルテンはしっかり形成されるが、水が足りない場合や捏ねが不十分だと、もろくて弱いグルテンしか得られない。

 

加える水の量で様々な状態に変化

小麦粉に加える水の量によって、パン作りに使うような弾力があって軟らかめの生地、うどん用のまとまっていないそぼろ状の生地、てんぷらやケーキに使うどろどろしたバッター、薄い糊状など、様々な状態に変化する。

このために小麦粉の用途は広く、穀物の中の王者とも言われ、それぞれの地域の人々の嗜好に合う食べ方を可能にしている。

 

パンの骨組みはグルテンが作る

パンを作る場合、小麦粉にイースト、油脂、砂糖、食塩などの材料と水を加えて捏ねると、軟らかいのに弾力のある生地になる。

生地中に形成されたグルテンは、よく捏ねると薄い膜になり、小麦粉中のでんぷん粒や抱き込まれた気泡を包み込みながら、網目で細い繊維状になる。

生地中のイーストが働き発酵が進むと、炭酸ガスとアルコールを発生する。

炭酸ガスは小さな気泡になり生地組織中に入り込み、全体を押し広げ、大きな体積ときめが細かいすだちを作っていく。

アルコールは生地を伸びやすくし、風味や香りづけに役立つ。

発酵の終り頃まで炭酸ガスを蓄えて伸びた生地は、オーブンで熱を加えると最後のガスを発生し膨張してさらに体積が大きくなり、よく伸びたパンに仕上がる。

生地の中心温度は95~97℃に達するので、グルテンの網目状組織は熱で変性し固くなり、パンにしっかりした骨組みができるため、冷めてもその形を維持できる。

 

製パンには、タンパク質の量が多く、質がよい小麦粉を用いる。

したがって、パン用粉の原料小麦には、タンパク質の量が多くて、粘弾性のバランスがよいグルテンを形成する特性を持つことが要求される。

同じアメリカ産の硬質小麦でも、ハード・レッド・スプリング小麦の方が、ハード・レッド・ウインター小麦より、パン用として優れているのは、グルテンの粘弾性のバランスがパンに向いているからである。

アルゼンチン産小麦がタンパク質の量は多いが、日本のパンには向かないのも、グルテンが硬く伸びにくいからである。

 

うどんのコシもグルテンから

軟らかいが適度のコシがあるうどんができるのも、グルテンが形成されるからである。

うどんにはタンパク質の量が中程度の小麦粉を使う。

小麦粉100に対して、水30~33を加えてミキサーで混ぜ、圧しながら伸ばすと、グルテンが形成される。

グルテンの量が多くないし、水の量や混ぜ方を十分にはしていないため、パン生地ほど弾力があるグルテンにはならない。

グルテンの量が多く弾力がありすぎると、硬いうどんが出来る。

 

グルテンができ過ぎないようにするのもコツ

ケーキがふっくら膨らむのも、花が咲いたようなてんぷらができるのも、小麦粉の主成分のでんぷんの量が少なくて力が弱いグルテンの作用の結果である。

タンパク質の量が少なく、その質が軟らかい小麦粉を用いて、グルテンができ過ぎないように軽く混ぜるのがコツである。

 

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