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パータ・ケックについて

お土産やちょっとしたお菓子などによく作られる、パータ・ケック。

今回は、その特徴と注意点などをまとめてみました。

 

※バターに気泡を取り込む

一般に、お菓子は生地を膨らませるために、以下の3つの作用を利用しています。

①空気の熱膨張や水の気化:物理的膨張

②ベーキングパウダーなどの膨張剤によるガス発生、ガスの熱膨張:科学的膨張

イーストなどの微生物によるガス発生、ガスの熱膨張:生物的膨張

ジェノワーズやビスキュイ、ケックなどは①を利用していますが、ジェノワーズでは全卵に、ビスキュイは卵白に、そしてケックではバターに気泡を取り込むことで、生地を膨らませています。

 

※バターのクリーミング性を利用

クリーミング性とは、固形油脂を攪拌したとき、空気を大量に混ぜ込むことのできる性質のことです。13~18℃のバターを攪拌し、クリーミング性を生かして、きめ細かくたくさんの気泡を含んだ生地を作ります。

 

※バターに卵を混ぜて乳化させる

水と油は、本来混ざり合わないが、卵黄に含まれるレシチンは、安定した乳化状態を保つ働きをし、水と油を結びつける。レシチンは、天然の乳化剤であり、16~18℃程度が安定した乳化作用を発揮しやすいため、卵は冷蔵庫から出しておく。

 

※油中水滴型エマルジョン

上述したように、バターのクリーミング性とレシチンの乳化作用を利用し、バターの中に卵と砂糖を混ぜた水溶液を細かく分散させ、多くの気泡が抱き込まれた状態を作っているのがパータ・ケックである。一般にこのような乳化状態を油中水滴型エマルジョンと呼ぶ。

ちなみにもう一つの乳化の構造は、水中油滴型で、水分の中に周りを乳化剤で覆われた油滴が分散している状態をいう。

 

※生地作りの失敗の原因

ケックの失敗は、以下の2パターンがある。

①バターと卵が分離し、もろもろの状態になってしまう。これは、バターに一度にたくさんの卵を加えたか、冷たい卵を加えてバターの温度を下げてしまったことなどが考えられる。

②生地がやわらかくなりすぎる。これは、バターを溶けるほどやわらかくしてしまったか、室温が高すぎたか、卵の温度が高すぎたか、などが考えられる。

 

※2つの製法

ケックの作り方には、大きく分けて2通りの製法がある。ひとつはカトルカールに代表される、バターと砂糖を混ぜて気泡を得る製法であり、これが基本製法のシュガーバッター法である。

もうひとつは、バターと小麦粉を混ぜる方法で、こちらはフラワーバッター法と呼ばれる。

 

※フラワーバッター法

フラワーバッター法は、バターの量に対する小麦粉の配合量が多い場合に用いられる。シュガーバッター法であれば、バターと卵を混ぜる際に、卵に含まれる水分がバターとの分離を引き起こす原因になりやすいが、フラワーバッター法であれば、卵の水分が小麦粉に吸収されるため、卵とバターを分離させずに混ぜることができる。シュガーバッター法よりも、さらにきめ細かい仕上がりを得ることができる。

 

※ナッツなど粉末材料を多く配合する場合、中力粉を用いる

粉末材料のおよそ半分程度をアーモンドパウダーなどナッツ類が占めるものは、小麦粉の配合がかなり少なくなる。そのため、そのような配合の場合、タンパク質量が多く、グルテンが形成されやすい中力粉を用いる。

 

※ベーキングパウダーを配合する

カトルカールの様に、四同割の場合、バターに取り込まれた気泡量と卵に含まれる水分の気化で十分な膨らみが得られる。

しかし、卵の量に対して粉末材料が多い場合、生地中の水分量が不足し、水蒸気による膨張力が十分に得られないため、ベーキングパウダーを配合する。

ベーキングパウダー配合量の目安は、粉末材料の合計重量から卵の分量を引いた重量の2.5~5%の間で調整するとよい。

 

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